2000.09.18 : 千葉市議会 平成12年第3回定例会(第4日目) 本文. 

中村久美子議員 「土気城問題」関連質問と答弁  

2000.09.18 : 平成12年第3回定例会(第4日目) 本文
◯3番(中村久美子君) 市民ネットワークの中村久美子です。会派を代表いたしまして質問をさせていただきます。
 東海地方を襲った集中豪雨で被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。心労や加えて後片づけの大変なことと思います。
 私も三度ほど,六方下水路の溢水で,突然の洪水に大変な思いをいたしました。中央雨水幹線着工への計画が出され,多額の費用と長い工事期間を要しますが,雨水対策も切望事項です。
 では,通告に従いまして質問をいたします。
 まず初めに,市政運営の基本姿勢についてお伺いいたします。
 先般,線引きや再開発方針の見直しを含む都市計画変更の縦覧があり,新港横戸町線沿線地区やJR都賀駅周辺地区が再開発促進地区から外されたことは,時代を象徴する流れのようです。
 一方,蘇我地区が1号市街地として500へクタールと拡大されたことは,新総合ビジョンに基づく新しい一歩として慎重に受けとめています。
 今後,ちば・ビジョン21の9本の柱と整合性をとる都市計画の目標として,整備,開発また保全の方針が改められるわけですが,何点かお尋ねいたします。
 再開発方針の見直しに当たって,国の通達及び県の見直しマニュアルでは,どのような基準が示されているのでしょうか。
  15年後を目標とする計画的な再開発が必要な地区が,7地区1,885ヘクタールから12地区1,485ヘクタールとなり,総体的に面積は縮小されたものの,ビジョンで示されている地区拠点が新たに追加されました。中心市街地の活性化だけでなく,各地区拠点にある商店街の活性化も計画されていると思いますが,にぎわいを生み出すには発想を変えた町づくりの手法も必要です。課題をどのように分析なさっているのでしょうか。
 一方,5年後を目標とする具体的な事業の見通しのある再開発促進地区は,7地区494ヘクタールから6地区385ヘクタールとなっています。そのうち新業務地区,稲毛駅周辺,蘇我駅周辺地区については,町づくりの仕掛けはどのようにされるのでしょうか。現在はどのような状況なのか,お伺いします。
 現在の整・開・保では,平成12年の都市計画区域内の人口は96万人,平成22年は104万人となっています。今回の縦覧では,平成22年の人口は約92万人と修正され,平成 32年の人口は94万人とされています。ところが,ビジョンでは平成22年の人口は約98万人,平成27年には100万人としています。両方とも平成7年の国勢調査をベースとしながらも根拠となる法律が異なり,人口推計の方法に違いがあるのかもしれませんが,平成22年のものを比べると,ビジョンの方が6万4,000人多く推計しています。この根拠をお尋ねいたします。
 また,現行6次5か年計画スタート時において,都市計画の方が4万1,000人多く推計していました。平成8年度と平成13年度と,なぜこのような状況の差があるのか,御見解をお伺いいたします。
 全国的には,平成19年をピークに人口は減少していくと言われていますが,千葉市は若い市ということで,平成29年ごろがピークだそうです。100万人を達成しても都市計画法による推計,平成32年度の94万人は意味があると思います。人口推移に見合う町づくりが必要ではないでしょうか。つまり,整・開・保とビジョンの整合性をとっていくための都市計画マスタープランが必要であると考えます。都市計画法の改正で,県が市町村の意見を聞いて都市マスを策定しなければならないことになりました。市町村からの申し出を可能にするような措置も講じられていると聞きますが,県が策定する前に千葉市の都市マスをつくっていくお考えはあるのか,お尋ねいたします。
 市民参加がうたわれている都市マス策定には,町づくりセンター的な窓口や専門家派遣などの支援策が必要ですが,いかがでしょうか。
 また,地権者だけでなく幅広い市民が土地利用に意見を出せる仕組みとして,地域からの積み上げ式で策定される都市マスを私たちは提案したいと思います。ビジョンには,新市街地形成のプロジェクトが盛り込まれています。地球規模での環境問題が論じられ,人口も減っていく中,地域に暮らす市民の視点での提案は必要です。
 新総合ビジョンでは 新市街地整備プロジェクトの構想の中に,都川上流域新都市整備構想が挙げられていますが,見直しが必要と考えます。都川総合親水公園と続く新都市整備の検討としていますが,今後の千葉市のこの地域での人口推計のなされないままの構想であり,このあたりは貴重な自噴水があり,それに伴い動植物も豊かです。景観の保全,水の涵養からも,見直しについての御見解をお伺いいたします。
 「フォトちば」夏の特集号の「千葉市のいちばん」では,千葉市の貝塚密集度が世界一の規模で,大小の貝塚が115カ所,加曽利貝塚と同じ史跡級の大型貝塚だけでもおよそ30カ所余り,巨大貝塚が市内各地に埋もれているということです。これらの遺産は,かけがえのない千葉市民の財産として将来にも伝えなければなりません。そんな中,加曽利貝塚,荒屋敷貝塚,月の木貝塚などが国指定とされていることは,大変誇れることです。しかし,都市開発が進む中,まだまだ重要な遺跡の多くは,保存の措置がとられないままにあるという現実もあります。
 埋蔵文化財を含む文化財を生かした町づくりが広く提言されるようになってきています。先人たちが身の回りの自然と深くかかわりあいながら,独自の文化を築き上げてきた田や畑など農耕地,林や里山,また漁場などの川や海であったりします。自然との深いかかわりの中で人間が生み出した遺産の総体を,一つの景観の中の有機的なシステムとして将来に継承していくことが求められていると思います。
 民間開発における埋蔵文化財発掘調査は,事業者の理解と協力のもと行われています。平成12年度,市内で行われている発掘調査で,新たな埋蔵文化財は見つかっていますか。また,それらの保存について,どのように進めているか,お伺いいたします。
 巨大貝塚を初めとする遺跡の保存について,今後の見通しはどのようであるか,お伺いします。
 園生貝塚については,以前より地権者並びに複数の学術研究団体から保存してほしい旨の要望があるとのことですが,どのような状況になっているのか,お伺いします。
 また,土気城址についても,どのようかお伺いをいたします。
 大切な文化財を残すためには,市民の十分な理解と協力が必要です。また,文化遺産を守り活用するには,まず住民がそれをよく知り,愛着を覚えることが大切です。幅広い層の市民に多様な普及活動も必要と考えます。今後の取り組みについてお聞かせください。
 市民学芸員をさきに提案させていただきましたが,ボランティア活動は,学芸員,文化財調査協会などと活動の連携が求められます。学芸員は,資料の調査研究,展示等とともにボランティア活動のコーディネートも期待したいと思います。御見解をお伺いします。
 続いて,市民参加について伺います。
・・・・(中略)・・・・

◯教育長(加藤元則君) 質問1,市政運営の基本姿勢についての御質問のうち,開発と保全について,教育委員会所管についてお答えをいたします。
  まず,文化財保護についてでございますが,12年度の埋蔵文化財の調査は,現在,4事業7遺跡の発掘調査を実施いたしております。その中で,土気町の黒ハ ギ遺跡では,今から1200年から1300年前の古墳時代から奈良,平安時代の村の跡が,多くの遺物とともに発見されております。
 出土した遺物につきましては,埋蔵文化財調査センターで整理後,収蔵,保管するとともに,展示,公開をしてまいりたいと存じます。
 次に,遺跡保存の今後の見通しでございますが,基本的には従来どおり,開発との調和を図りながら保護をしてまいりたいと存じます。
 次に,園生貝塚の保存についてでございますが,現在保存樹林として指定されておりますので,今後とも引き続き土地所有者の御理解のもと,現況のままで保存できればと考えております。
 次に土気城址についてでございますが,地元の方々の御協力をいただきながら,保護について調査,研究をしてまいりたいと存じます。
  次に,文化遺産についての市民への啓蒙普及活動と今後の取り組みでございますが,現在,埋蔵文化財調査センター並びに加曽利貝塚博物館で発掘調査成果の展 示公開を行うとともに,郷土史講座,遺跡見学会,遺跡発表会などを開催し,市民の文化財への理解と普及を図っているところでございます。
 今後とも普及活動の充実を図ってまいりたいと考えております。



 ※千葉市議会会議録より