2007.09.14 : 千葉市議会 平成19年第3回定例会(第4日目)  

湯浅美和子議員 「土気城問題」関連質問と答弁  

◯17番(湯浅美和子君) 市民ネットワークの湯浅美和子でございます。この代表質疑、各会派の方たちの代表質疑が 幾つか終わりましたけれども、皆さん、先日の安倍首相の突然の辞任のことを取り上げていらっしゃいました。同じようなことを申し上げても何ですので、私が 一つ印象に残っているのは、新聞報道の中で、市民の痛みを置き去りにしたままという言葉が目に飛び込んでまいりました。市長には、常に市民の痛み、市民の 思いを聞き分ける耳を持っていただきたいと思いつつ、きょうの代表質疑にさせていただきます。
・・・(中略)・・・
 最後に、文化財保護について伺います。
 現在、千葉市における保存されるべき文化財は、法によって登録されている、明治以降に建設された、千葉県水道局千葉高架水槽矢作の水道塔、千葉市民ギャラリー稲毛旧神谷伝兵衛稲毛別荘、千葉トヨペット本社の3カ所と、それから古代以前の加曽利貝塚、月ノ木貝塚、荒屋敷貝塚、犢橋貝塚、花輪貝塚の5カ所です。いずれも国によって指定を受けたものです。
 平成17 年度の文化財保護法改正によって、文化財保護条例が変わり、千葉市においても独自に地域文化財の登録が可能となりました。例えば、千葉県では優先順位を千葉氏、里見氏、堀田氏の順に考えて発掘調査や保存をしていくとのことですが、千葉市は今後どのように歴史的文化財を保護していこうと考えているのか、基本的な方針についてお聞かせください。
 緑区の土気城については、その城跡に携帯電話の電波塔の建設計画があり、地域の人たちの保全に向けての意識が高まっていますが、千葉市としては土気城跡の史跡としての価値、土気城跡周辺の歴史的自然環境をどのように認識しているのでしょうか。土気城跡に関して、文化財として保全していこうというような検討を今までにしたかどうか、伺います。保全に向けての課題をどのように考えているか、見解をお聞かせください。
 また、市内で今までに保全に向けて検討した、あるいは今後検討しようと考えている歴史的文化財にはどのようなものがあるのか、伺います。
 以上で、1回目の質疑を終わります。ありがとうございました。(拍手)


◯教育長(飯森幸弘君) 初めに、特別支援教育についての御質問にお答えします。
・・・中略・・・
 次に、文化財保護についてお答えいたします。
 まず、歴史的文化財保護の基本的な方針についてでございますが、文化財は、長い歴史の中ではぐくまれてきた貴重な財産であり、保存し、後世に継承することはもとより、積極的に公開、活用を図っていく必要があると考えております。そこで、文化財の一層の保護を図るため、本年3月に文化財保護条例を改正し、従来の指定文化財の保全と再調査を行うとともに、地域に伝わる民俗行事や民俗資料など、特徴のある文化遺産を地域文化財として登録し、保存、活用に努めることとしております。
 次に、土気城跡の史跡としての価値等をどのように認識しているのかとのことでございますが、土気城は、千葉市史などにおいても記述されているとおり、戦国時代の酒井氏が支配したとされる山城であります。また、昭和55年から3回にわたって発掘調査や、平成5年に行われた測量調査の結果から、城の存在時期が類推することができるとともに、土塁や堀の保存状況も良好なことから、千葉市の戦国時代の史跡の一つと認識しております。また、周辺の集落や町並みなども、土気城跡に関連する歴史的景観の一つと考えております。
 次に、土気城跡を文化財として保全する検討についてでございますが、これまでに実施した部分的な発掘調査や県教育委員会と協力して行った測量調査の結果を報告書に取りまとめるとともに、土気城跡の内容を記述した文化財案内板を設置すること等により、市民への周知と記録保全を図ってきたところであります。
 次に、土気城跡の保全に向けての課題についてでございますが、この区域はすべてが民有地であり、文化財として保全することについて土地所有者等の理解や協力が必要なことに加え、遺跡の内容や規模を明確にする学術的な発掘調査などを実施することが課題であると考えております。
 最後に、保存を検討した、または今後検討しようとする歴史的文化財についてでございますが、これまで本市では、縄文時代の加曽利貝塚や荒屋敷貝塚などの貝塚群を中心に保全を図ってきたところであります。
 今後は、文化財保護の基本的な方針に基づき、従来の指定文化財の再調査と保全を行うとともに、地域文化財の登録制度が新たに位置づけられたことから、近現代の民俗資料などの掘り起こしや定着を図り、広く市民に周知してまいりたいと考えております。
 以上で終わります。


◯17番(湯浅美和子君) 御答弁どうもありがとうございました。それでは、2回目の質疑をさせていただきます。
・・・中略・・・
 文化財保護についてです。
 千葉市の文化財保護の現状を伺いますと、これまで縄文時代の貝塚群を中心に保全を図ってこられ、今後は地域文化財として近現代の民俗資料の掘り起こしや定着を図るとのことですが、千葉市の中世の文化財に関する取り組みはどのようにされるのか、お聞かせください。
 また、土気城跡に関して、遺跡の内容や規模を明確にする学術的な発掘調査の実施が課題とのことですが、その範囲はどのくらいなのか、また、県や市で調査が終了している割合は、そのうち幾らくらいあるのか、お答えください。
 以上で、2回目を終わります。

◯教育長(飯森幸弘君) 文化財保護についての2回目の御質問にお答えいたします。
 まず、中世の文化財に関する取り組みについてでございますが、千葉氏と妙見信仰に関する調査研究を郷土博物館で継続的に行っております。さらに、今後はその取組範囲を拡大していくことを検討してまいりたいと考えております。
 次に、発掘調査の範囲についてでございますが、発掘調査は土気城跡のおよその範囲である約20ヘクタールを対象に実施する必要があると考えております。次に、調査が終了している割合でございますが、今回の分を含めまして約1,300平方メートル、約0.65%が終了しております。
 以上でございます。

 ※千葉市議会会議録より